心臓手術中の出血、凝固因子補充に凍結血漿よりPCCが有益

カナダおよび米国の病院12施設で、心肺バイパス終了後に凝固因子欠乏症関連の出血が発生した心臓手術施行患者420例（年齢中央値66歳、男性74％、アジア系10％、黒人1％、白人65％、複雑手術施行率70％）を対象に、プロトロンビン複合体濃縮製剤（PCC）の有効性および安全性を無作為化非劣性試験で凍結血漿と比較（FARES-II試験）。主要評価項目は、止血反応（治療開始後60分から24時間まで止血介入なしを有効と定義）とした。 その結果、PCC群の方が凍結血漿群よりも有効な止血反応達成率が高く（77.9％ vs. 60.4％、差17.6％、95％CI 8.7％-26.4％、非劣性および優越性のP＜0.001）、平均輸血数も少なかった［6.6ユニット（95％CI 5.7-7.7）vs. 9.3ユニット（95％CI 8.0-10.8）、差2.7（95％CI 1.0-4.4）、P＝0.002］。重篤な有害事象発生率はPCC群36.2％、凍結血漿群47.3％（相対リスク0.76、95％CI 0.61-0.96、P＝0.02）、急性腎障害発生率はそれぞれ10.3％、18.8％だった（同0.55、0....