第1回 「漢方薬は食前投与」を巡る迷信と真実(前編)
現代の日本においては、漢方薬は普通の薬として、他の薬とともに使用されています。特に漢方エキス製剤は、アルミパウチに入れられた顆粒剤が代表的なもので、意識しないと、伝統薬であることや植物などの抽出物であることを忘れてしまいます。そのため、普通の薬に慣れた頭では、「何か変」と感じることがしばしばあると思います。
多くの経口医薬品がなぜ食後投与になっているかご存じでしょうか。それは、治験を食後投与で行ったからです。医薬品は治験におけるエビデンスをもとに、その使用方法が決められます。治験において食後投与で有効性・安全性が確認されたから、食後投与になっているのです。
それでは、それらの薬はなぜ食後投与で治験を行ったのでしょうか。現代においては、食前や空腹時投与にする特段の理由がなければ、ほとんどの経口医薬品が食後投与なので、それに合わせておいた方が飲み忘れも防げてよい、という考えから、食後投与で治験を行っていると思われます。医師の皆さんも「食後投与では使いにくいので食前投与できないか」とお考えになることは、ほとんどないでしょう...
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