第7回 精神病の遺伝子はなぜ淘汰されないのか(後編)
うつ病の遺伝子多型に、NET(norepinephrine transporter) G1287Aがあります。Gアレルが再取り込み作用の強いうつ病のリスクアレルです。Gアレルがあると、前頭葉でノルエピネフリンが強く再取り込みされてシナプス間隙のノルエピネフリンが低下するため、うつ病の発症リスクが上昇すると考えられます。日本人の遺伝子型頻度は、Gアレルが約75%、Aアレルが約25%です。前述のCOMTと同じように、NETの遺伝子多型も、リスクが上昇するアレルの方が活性が高くて、持っている人も多いのです。...
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