第43回 去勢抵抗性前立腺がんに対するオラパリブの有効性―PROfound試験
去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)の転移例(mCRPC)の予後は、本邦でのドセタキセル承認のきっかけとなった2004年のランダム化比較対照試験(RCT)のTAX 327では、3週間ごとのドセタキセル投与群の全生存期間(OS)中央値は18.9カ月でした(N Engl J Med. 2004; 351: 1502-1512)。その後、新規androgen receptor-axis-targeted(ARAT)薬の使用が可能になったことで延長し、2018年のオランダからの報告では、実臨床で治療された症例のOS中央値は24カ月に延長していますが(Eur Urol Focus. 2018; 4: 694-701)、依然として予後不良であることには変わりありません。さらに、BRCA遺伝子変異陽性例はmCRPC診断後のがん特異依存期間(DSS)中央値が17.4カ月で、変異陰性例の33.2カ月よりも予後不良です(J Clin Oncol. 2019; 37: 490-503)。BRCA遺伝子変異陽性例に対して効果が期待できるポリADP-リボースポリメラーゼ(PARP)阻害薬ですが、2年前にPRO...
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