鉄欠乏伴う心不全患者への鉄補充は安全かつ長期予後改善に有用
心不全は貧血合併率が非常に高く、慢性心不全の急性増悪では60%(ATTEND study:Eur Heart J Acute Cardiovasc Care 2015; 4: 568-576、JCARE-CARD study:Circ J 2009; 73: 1901-1908)、慢性期では35%(CHART-2 study:Circ J 2015; 79: 1984-1993)に合併が認められる。また、心不全患者は貧血と共に鉄欠乏を合併することが広く知られており、鉄剤の補充によって症状やQOL、6分間歩行などの改善は示されているものの、予後改善効果は示されていない(N Engl J Med 2009; 361: 2436-2448、Eur Heart J 2015; 36: 657-668)。そのため、本邦の「急性・慢性心不全診療ガイドライン2017年改訂版」では、心不全への鉄剤投与の推奨レベルはclass IIIと記載されている。...
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