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「かぜ」を面白く診る――溶連菌感染症

2023年9月13日  南山堂

 発熱を主訴にきた小児に対し、少しでも咽頭が赤いように見えればどんな年齢でも溶連菌、アデノウイルス、RSウイルスの迅速検査を行って、すべて陰性でも「念のため」といって経口第3世代セファロスポリン系抗菌薬を処方する……。 最近ではだいぶ少なくなってきたように思うが、10年前の小児科では決して珍しい光景ではなかった。こうならないためには、いわゆる「かぜ」を鑑別する知識、時間を使って診断していく経験、そして患者と保護者への説明力が必要である。左のマインドマップ(※編集部注:本連載では割愛します。詳細は書籍でご覧ください)では咽頭炎らしい患者を診た際の考え方について筆者なりにまとめた。 鑑別 まずは緊急性があるかどうか。「緊急性がない」という説明は保護者の頭を冷静にしてくれる。次に緊急性がないならウイルスなのか細菌(主にA群溶連菌〔GAS〕)なのかを考える。鑑別すべきウイルスの候補をイメージしつつ、問診と身体所見からGASらしいかどうか判断する。centor scoreの項目はGASらしさを示す重要な所見である。 タイトルが入ります ウイルスなのか細菌なのか迷う症例も割とある。そんなときは時...