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脊椎腫瘍の画像読影(総論)

2024年5月29日  メジカルビュー社

 原発性脊椎腫瘍はまれで、全骨腫瘍中の5%以下とされている。原発性脊椎腫瘍のなかでは血管腫、骨腫などの良性腫瘍が圧倒的に多い。悪性腫瘍では多発性骨髄腫、悪性リンパ腫が多い。原発性脊椎腫瘍の症状では疼痛が多く、椎間板ヘルニアに類似した症状を呈する。ときに病的骨折でみつかる。頻度としては転移性骨腫瘍が圧倒的に多い1〜5)。 画像検査 単純X線写真:非特異的な所見であることが多いが、ほかの疾患との鑑別のためにまず撮像されることが多い。 CT:横断像のみならず、矢状断・冠状断再構成像も作成可能であり、骨条件での観察では骨皮質の破壊、内部の石灰化の有無などについても、詳細な評価が可能である。薄いスライス厚での撮像が可能で、類骨骨腫などの小さな病変の検出に有用である。軟部条件では軟部腫瘤の有無、周囲組織との関係の評価に有用である。造影CT、CTアンギオグラフィは血流評価、栄養血管の同定、正常脈管との関係の評価に有用である。 MRI:スピンエコー法でのT1強調像、T2強調像が基本である。T1強調像では脂肪が高信号となるため、脂肪の含有、骨髄の評価、正常骨髄との境界の評価、脊椎周囲・筋間脂肪織が解剖...