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鳥関連過敏性肺炎に環境調査が有用だった症例(前編)

2024年6月12日  南山堂

受診 48歳、女性。 2009年12月中旬より乾性咳嗽が持続していた。発熱はなかったが12月末から労作時の息切れが出現したため、2010年1月中旬に近医を受診し、Spo2 94%と低値であり、胸部にはfine cracklesが聴取された。クラリスロマイシン400 mg/日、ツロブテロール2 mg/日を処方されたが、改善しなかった。同医院を再受診し、胸部CT検査で両肺野に異常陰影を指摘されたため、精査目的で当センターを受診した。 受診~問診 受診時、既往歴や家族歴、社会生活歴に関する詳細な問診を行った。その結果、以下の情報が得られた。 既往歴:特記事項なし。 家族歴:特記事項なし。 職業歴:もともとは主婦であったが、5年前から夫の酪農業を手伝い始めた。仕事時間は牛舎で1日数時間(仕事時間は5:30~8:30と16:30~19:00)、仕事内容は、主に子牛への餌やりと搾乳や牛舎の清掃であった。 社会生活歴:喫煙歴および飲酒歴はなかった。家族にも喫煙歴はなかった。自宅は木造築8年で風通し、日当たりは良好であった。加湿器やジャグジーバスの使用はなかった。鳥は飼育しておらず、家族に羽毛布団や...