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過敏性肺炎でもIPFでも認める所見、過剰診断に要注意

2024年7月10日  南山堂

診断 『指針』p. 62 図22)3)では、臨床画像所見では「除外できない」に相当する結果であったが、病理所見を含めた結果では「確実例」に分類される。しかし、病理所見からは線維性過敏性肺炎を疑う所見はあったものの、臨床・画像所見は過敏性肺炎を強く支持する所見に乏しく、MDD(集学的検討)でIPF(低確信度)と診断した。 その後の経過 IPFと診断したが、羽毛布団も含めた鳥関連の曝露を避けるよう指導し、抗線維化薬であるニンテダニブの治療を開始した。5年後に症状は変化ないものの、FVCは1,700 mL(79.4%)、DLcoは59.9%に低下し、画像上も線維化の進行を認めた(図4)。経過で症状やKL-6の季節性の変動は認めなかった。8年後に線維化はさらに進行し、続発性気胸を合併し、死亡した。 図4 初診時(a)と5年後(b)の胸部HRCT画像 最後に、画像は関西労災病院放射線科部長上甲剛先生、病理は長崎大学病理診断科教授福岡順也先生にご供覧頂きました。この場を借りて心より深謝申し上げます。...