日本では緩和ケアにおけるコミュニケーションの技法として「反復」が推奨されているのを目にします。相手から理解していると認めてもらうためには、相手の言葉に自分たちの気持ちを押し付けず、言葉をそのまま繰り返し、語尾に「ね」をつけることが基本のスキルである、と。
その「反復」のスキルの例として以下のような例示がされています。
患者 「どうせもう良くならないんでしょう?」
医師 「もう良くならないと思われるのですね」
患者 「生きることがつらい。早くお迎えが来てほしい」
医師 「生きることがつらくて、早くお迎えが来てほしいと思われるのですね」
患者 「人に迷惑をかけるなら、死んだほうがいい」
医師 「人に迷惑をかけるなら、死んだほうがいいって思われるのですね」
これはあくまで私の個人的な意見ですが、この技法には感心しません。ただ単純に相手の言ったことを繰り返して語尾に「ね」をつければ相手が自分の意見を聞いてもらった気持ちになる、というのは危険な認識だと思います。少なくとも私がこのように言われたら、そのようには思いません。むしろイライラします。...
m3.comは、医療従事者のみ利用可能な医療専門サイトです。会員登録は無料です。