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蜂窩織炎/丹毒の治療期間を深める―何を指標に治療期間を決めますか?

2025年2月7日  南山堂

Point 1 蜂窩織炎の治療期間は定型的には決めにくく、症例ごとの所見を細かくフォローして判断する Point 2 局所反応が5日以内で改善すれば、軽度の局所所見の残存があっても5日間で抗菌薬投与は終了できる Point 3 免疫不全や合併症の有無により抗菌薬投与期間は延長し得る Point 4 菌血症を合併すると全身状態不良になることが多く、そのために抗菌薬投与は延長される はじめに  蜂窩織炎に対する治療は「抗菌薬を5日間投与、しかし改善が乏しければ延長する」という指針がある1)。背景となった研究では、蜂窩織炎に対してレボフロキサシン(LVFX)で治療を行い5日目の時点で、症状が改善している、膿瘍形成がないなどの経過良好のグループについて二重盲検で追加5日間のLVFX投与と偽薬に分けたもので、治療14日目と28日目の所見に差がないことを示している2)。実際、5日間で順調に局所所見が改善する蜂窩織炎は軽症であり、外来でもこのような形で治療可能であろう。そのため「5日以内に軽快する蜂窩織炎は5日以上の抗菌薬投与は必要ではない」と考えられる。...