帯状疱疹の治療――薬剤開発の歴史と核酸アナログ製剤使用の注意点
VI 帯状疱疹の治療
Question 35 抗ヘルペスウイルス薬ってどんな薬?
Tips
抗ヘルペスウイルス薬開発の歴史
アシクロビルからプロドラッグ、アメナメビルへ
忘れてはいけない「ソリブジン事件」
Answer 1 抗ヘルペスウイルス薬開発の歴史
世界で初めて開発された抗ヘルペスウイルス薬は、1950年代後半にWilliam Prusoffにより合成されたイドクスウリジンである(図1)。ヌクレオシド類似体で、ウラシルの塩基対にヨウ素を付けているが、ウイルスDNA複製に取り込まれるのに十分な形状にデオキシウリジンを組み替えている。新合成されるDNAにおいて、非可逆的にチミジンに置き換わり、ウイルスおよび宿主細胞の中でDNAの立体構造を本質的に非機能性とする。当初は抗がん剤として開発されたが、1962年に最初の抗ウイルス薬となった。全身毒性が強いため、点眼薬として局所治療に限って使用された。...
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