"もやもや"と共に診療する―不確実性に向き合うということ
身体がこんなにおかしいのに気のせいなのか?
「3日前から全く食欲がなくて……このまま倒れたらどうしようって、怖くて眠れません」
生来健康な20代女性。診察室の椅子に深く座り込み、落ち着かない様子で言葉を重ねます。
「体もだるくて何もやる気が起きないし、頭がゾワゾワして、心臓もドキドキするんです。息苦しいし……この1カ月ずっとこんな調子なんです。何か危険な病気なんじゃないでしょうか?」
身体診察・各種検査(心電図、甲状腺・副腎ホルモンなど)を行いましたが、異常は認めませんでした。
「検査では問題ありませんでした」
と伝えると、彼女は眉をひそめます。
「そんなはずないです。体がこんなにおかしいのに"気のせい"なんですか?」
訴えは尽きず、私はパソコンの前で一瞬、深く息をつきました。
診療が進まない苛立ちから、患者に陰性感情を抱くことも
何をしても報われないような、出口のない診療――「次に何をしたらよいのか分からない」という不安が、自分の中にも広がっていきました。
プライマリ・ケア外来の30〜60%は、医学的に説明のつかない症状...
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