認知症の入院患者の悩ましい言動における初期対応(前編)
(1)対応に悩む言動があったら、まず「せん妄」を考える
認知症または認知症の可能性がある入院患者に興奮や徘徊(歩き回る)、幻覚・妄想などをみとめた際、BPSD だけでなく、せん妄の可能性が十分考えられる。
BPSD とせん妄には、共通する症状がきわめて多い(表1)。
実臨床でせん妄は高頻度にみられるだけでなく、直接因子や促進因子の除去によって改善が見込めることから、安易にBPSDと考えず、まずはせん妄の評価を確実に行う必要がある。
表1 対応に悩む言動とその鑑別
memo
実臨床において、入院患者に何らかの精神症状をみとめた際には、鑑別診断の筆頭に「せん妄」をおくことが何よりも重要です。
(2)せん妄とは?
せん妄とは、身体疾患や薬剤、手術などを原因として、軽度から中等度の意識障害をきたした病態である。
注意障害、記憶障害、見当識障害、睡眠・覚醒リズム障害、幻視、感情の障害といった多彩な症状がみられる。
認知症との違いは、これらの症状が短期間のうちに出現し(急性発症)、夕方から夜間にかけて増悪すること(日内変動)である。...
m3.comは、医療従事者のみ利用可能な医療専門サイトです。会員登録は無料です。