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診断のつかないもしくは遷延する発熱への対応

2026年5月27日  南山堂

1 病因など  高齢者の発熱の原因として最も多いのは感染症であり、なかでも呼吸器感染症と尿路感染症であることは広く知られている。在宅医療においても経験上、最も多いのは酸素飽和度の軽度低下を伴った誤嚥性肺炎と思われる症状で白血球増多、左方移動を伴っているものである。しかし、発熱患者の中には、37℃後半から38℃台の発熱が遷延し、血算、尿所見などの検査から感染徴候が定かではない症例や、感染徴候があっても典型的な症状に乏しい症例も散見され、対応に苦慮する場合も少なくない。  高齢者では一般に自覚症状に乏しく、特に認知機能低下や遷延性の意識障害がある場合、本人の訴えや採血結果、酸素飽和度、エコーなどから病因を推定せざるを得ず、特に発熱が遷延する場合には在宅での医療には限界がある。  表III-5-1にいくつかの論文から高齢者の発熱患者の頻度、および不明熱の原因の頻度を示す。これらは原因の推定にある程度の助けとなる。  高齢者の発熱の原因として比較的よく経験するものにうつ熱があり、特に夏場や春先にかなり気温が高いにもかかわらず、ウールの下着を身につけていたり、...