問題が多すぎて途方に暮れた外来
「家族みんながおむつで、大変なんです」
ぽつりと、彼はそうつぶやきました。
60歳代の男性、Aさん。未婚で、認知症のある90歳代の母親と二人暮らしです。アルコール性肝障害と前立腺肥大症、高血圧症などで定期通院しており、かつて食道静脈瘤の破裂を起こし入院したことがあるにもかかわらず、現在も毎日飲酒しており、アルコール使用障害も併存している状況です。
る日の外来でのことです。本人と母親を一緒に診察し、経過を確認していると、Aさんは少し視線を落として、話し始めました。
「夜中に何度も起きてしまう。母親も同じで」。そして、ひと呼吸おいて、冒頭の言葉が出てきたのです。
「みんな、というのは?」
と尋ねると、実は、自宅にほぼ引きこもっている精神疾患のある兄がいることが分かりました。...
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