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第2回 肺がん縮小手術開発の歴史と臨床試験【肺がん外科編・前編】

2021年7月22日  スペシャリストの視点

はじめに がん外科治療と「みなし標準」 一般的に標準治療とは、エビデンスに基づいた治療法(EBM)であり、大規模臨床試験によって有効性と安全性が証明されたもっとも成績の良い治療法です。抗がん剤による治療などはその典型例です。しかし外科治療に関しては、現在標準治療とされるものであっても、必ずしも大規模臨床試験を経ずに経験的に一番良いと思われるものを標準とした、いわゆる「みなし標準」とでも言うべきものが少なくありません。すなわち、ある切除術式が、術後の死亡率や合併症率が許容範囲に収まり、患者のQOLが比較的良好で、かつ長期予後もある程度期待できる方法であると、多くの施設で“経験的に”みなされたならば、特に臨床試験を経ることなく標準治療になってきたという歴史があります。現在の肺がんに対する標準手術は肺葉切除+リンパ節郭清ですが、これがその「みなし標準」治療ですし、胃がんの幽門側胃切除や膵がんに対する膵頭十二指腸切除術なども同様です。本稿では肺がん外科領域において、この「みなし標準」治療に対して縮小手術を開発してきた歴史と臨床試験の功罪について解説します。 肺がん外科治療の歴史と臨床試験 死亡...