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第11回 「胸管結紮」と「胸管切除」の違いを考える

2021年7月26日  スペシャリストの視点

今回取り扱う論文 Prophylactic thoracic duct ligation is associated with poor prognosis and regional lymph node relapse in esophageal squamous cell carcinoma Journal of Surgical Oncology 2020; 122: 336-343 はじめに 胸部食道がん手術において、胸管を合併切除するべきか、あるいは温存するべきか、という長年の議論があります。歴史的には、胸管内の細胞成分を培養すると癌細胞株が樹立できる、という報告のごとく、胸管内には転移増殖能を有するがん細胞が循環していることはよく知られた事実です。また、胸管を合併切除することで、乳び胸発生率が低下する、あるいは系統的廓清手技が容易となる、という考え方もあります。一方では、胸管切除によって術後合併症が増加するのではないか、との指摘もあります。 両者の考え方は、前向き比較試験が実施されていないので、いずれも後方視的研究からの考察になります。国外の施設では、乳び胸を予防する目的で...