医療を行うために医師がいる - 大島伸一・国立長寿医療研究センター総長に聞く◆Vol.1
インタビュー
2013年5月28日 (火)
聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)
「私が言っていることは、普通の医療人であれば、皆が当たり前に思っていること。タブーのように思われていたことを、私が口に出して言っただけ」。こう語るのは、政府の社会保障制度改革国民会議の構成員を務める、国立長寿医療研究センター総長の大島伸一氏。「フリーアクセスの制限」などを提言し、同会議の8月の取りまとめに向け、その言動が注目される大島氏に、現在の医療に対する問題意識や医療改革の方向性についてお聞きした(2013年5月16日にインタビュー。計4回の連載)。 ――先生は4月19日の国民会議で、(1)必要な時に適切な医療を、適切な場所で、最小の費用で受けることができる医療へ、(2)「病院で治す」医療から、超高齢社会に合った「地域全体で、治し・支える医療」へ、(3)個人の全ての要求に応えることは、不可能ということを前提にした制度の再編――などを提言されています(資料は、国民会議のホームページに掲載)。この提言の背景にある、医療の現状に対する問題意識を教えてください。 まず一番基本的なことから話します。医療提供体制を考えるには、どんな患者がいて、どのような医療が必要とされているのかを検討しなけれ...
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