『奏鳴曲 北里と鴎外』、知られざるライバル物語 - 海堂尊氏に聞く◆Vol.1
インタビュー
2022年3月11日 (金)
聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)
『奏鳴曲 北里と鴎外』(文芸春秋)。近代日本の衛生学の基礎を築いた北里柴三郎と森鴎外という2人の医師の物語を、タイトル通り「奏鳴曲」(ソナタ)のように交互に綴った小説だ。上梓は2022年2月、著者は、医師・作家の海堂尊氏。帯には、「民の命を守るため、『医療の軍隊』を作ることを夢見た二人は、なぜ道を違え対立したのか!」「知られざるライバル物語!」との言葉が躍る。
「史伝小説は、『歴史其儘(そのまま)』と『歴史離れ』という2つのスタンスに分けられる」との鴎外の言葉を借り、海堂氏は「衛生学や医療については歴史のまま、北里と鴎外の物語は歴史離れだが、2人の関係性は全てが歴史離れではないはずだ」と語る。2人が活躍した明治から昭和初期は、感染症との闘いが続いた時代であり、コロナ禍の日本のありようと重ねて読むことも可能な書だ。
計453ページの大作に込めた思いを海堂氏にお聞きした。...
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