ワクチン接種の優先順位とは?◆Vol.31
スペシャル企画
2009年8月25日 (火)
森兼啓太(東北大学感染制御・検査診断学分野講師)
第33週(8月10日-16日)のインフルエンザ定点当たり報告数が1.69となった。その大半が新型インフルエンザウイルス(A(H1N1)pdm)によるものであり、本格的な流行期に入った。今後さらなる流行拡大が予想される今、国・地方そして現場の医療従事者はどのようにインフルエンザ対策に取り組んでいけばいいのか。 この6月まで国立感染症研究所感染症情報センターの主任研究官であり、舛添要一・厚生労働大臣が組織した「新型インフルエンザのアドバイザリーボード」も務める、東北大学感染制御・検査診断学分野講師の森兼啓太氏に現況を解説してもらった。 1. インフルエンザ流行の動向 国立感染症研究所のインフルエンザ定点観測のデータから患者数を推測すると、第32週(8月3日-9日)は約6万人、第33週(8月10日-16日)は約11万人であり、この1週間でおよそ倍増している。全数調査が行われていた7月24日までの患者数は4986人であり、これらを合計すると第33週までに新型インフルエンザの患者数は20万人近くに上っている。今後、この傾向が続くと仮定すると、第34週(8月17日-23日)で約20万人の患者が発生...
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