地域医療構想「調整会議」は機能せず - 権丈善一・慶應義塾大学商学部教授に聞く◆Vol.3

連携推進法人「友だち、仲間を作っているようなもの」 ――数ある医療制度改革が進む中、第8章として「社会的共通資本としての地域医療連携推進法人」を取り上げているのも、注目点です。 　地域医療構想調整会議はあまり機能しなかったわけですが、それには、国保の都道府県化の不徹底などがある。国保の都道府県化に関しては、2013年の社会保障制度改革国民会議で提案するときにも抵抗が厚労省の一部からあったのですが、その後、国保都道府県化は、制度が作られていく中で都道府県の財政責任などがかなり曖昧になっていった。そうした歴史もあって、地域医療構想への動きをリードするエンジンが生まれ育たなかった。...