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沖縄からの帰還、内科医としての旅立ち

オピニオン 2024年3月10日 (日)  櫻井滋・元岩手医科大教授

大戦後1)、米国による“占領状態”が続いていた沖縄だが、すでに私の赴任時点では日本復帰後10年を経過していた。とはいえ、米国式臨床医学教育の影響を強く受けた初期研修スタイルや診断システムが、沖縄県立中部病院(OCH)には根付いていたのである。多くの指導的スタッフは、米国での臨床研修をはじめ海外の著名な医師たちから直接指導を受けた経験を持っていた。私自身もそれら指導者の影響を強く受けながら、OCHの正式研修プログラムを強引に圧縮したかのような濃密な時間をOCHで過ごした。人生で最も影響が大きかった体験を携え、沖縄が本格的な冬を迎える頃に私は金沢に戻ることとなった。...