新幹線で急病人、乗り合わせた救急医は
オピニオン
2025年5月31日 (土)
志賀隆(国際医療福祉大学救急医学主任教授/同大学成田病院救急科部長)
名古屋での講演のため、新幹線に乗っていたある日の午後。3人掛けシートの窓側に座り、スライドを直しながら、1時間ちょっとの移動時間を静かに過ごすつもりだった。そんなとき、停車駅を告げる際の落ち着いたトーンとは違うアナウンスが突然聞こえた。「お客さまの中にお医者さまはいらっしゃいませんか?いらっしゃいましたら〇号車までお越しください」。緊張感が走る車内。「どんな病態なのか」「気難しい患者だったらどうしようか」。正直、迷う。それでも救急医として行かねばならない。通路側の女性客に「すみません」と声をかけ、通してもらい、指定された車両に向かった。...
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