「八王子ブランド」を確立し、医療の街に- 医療法人KNI理事長・北原茂実氏に聞く◆Vol.3

――ところで、『「病院」がトヨタを超える日』への反響はいかがでしょうか。 様々な分野の方から反響があった。発行後から約20日で、三刷りまでいったほど。単に医療のことを語ったのではなく、「医療産業論」を書いた特殊な本なので、こうした本がここまで売れるのは珍しいのでは。 「全体をまとめる強力なリーダーがいないことが今のすべての問題」と指摘する北原茂実氏。 ――医療以外の人も、関心を持たれた。 私にコンタクトを取ってきた医師もいますが、医療者で関心を持つ人はむしろ少ない。 ――本の受け止め方はいかがでしょうか。 私の考えが分かる人には分かり、このカンボジアプロジェクトに乗れる可能性に気づき始めている。他にも、最近、公立病院などに関する調査や意見を求められるなど、コンサルテーション的な仕事や、政党に関係なく医療、社会保障に関するマニフェストの作成に関する依頼の仕事が入ってきている。 ――医療が、社会全体の問題であることが認識され始めたのでしょうか。 私としては、国政には全く関心がない。国政で医療が変わらない最大の理由、それは小選挙区制度。現在は投票している人の70％が60歳以上。若い人は「選挙...