石巻日赤の脳神経外科医が語るドキュメント◆震災当日
スペシャル企画
2011年4月8日 (金)
沼上佳寛(石巻赤十字病院脳神経外科副部長)
4月3日午前10時少し前。この日は日曜日でもあり、石巻赤十字病院の外来ロビーはあまり患者および職員の姿は見られなかった。そこに現れたのが、石巻赤十字病院脳神経外科副部長の沼上佳寛氏。沼上氏は、平日は石巻市内のアパートで過ごし、週末は仙台市内の自宅に戻る生活をしていたが、アパートは被災、仙石線も復旧のメドが立たず、自宅にも容易には帰れない。「今は、24時間、病院にいます」と語る沼上氏に、3月11日の震災直後、野戦病院に近い状態になった石巻赤十字病院の5日間の様子を、日々付けていた日記を元に振り返ってもらった(m3.com編集長:橋本佳子)。 石巻赤十字病院脳神経外科副部長の沼上佳寛氏。 3月11日(金) 14:46 地震発生 医局のパソコンで研修医のレクチャーの資料を作っている最中だった。3月9日に三陸沖で最大震度5の地震があったばかりで、全く被害がなかったので、当初はかなり楽観的に考えていた。違うのは縦揺れがしばらく続いていること。そのうちに横揺れになり、机の上の物が少々落ちてきた。明らかに前の地震と違うのは、横揺れが全く止む気配がなく、むしろ強くなったり、弱くなったりリズムがあること...
m3.comは、医療従事者のみ利用可能な医療専門サイトです。会員登録は無料です。