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「最大の悲劇は、善人の沈黙」 - 勝俣範之・日本医大武蔵小杉病院腫瘍内科教授に聞く◆Vol.2

インタビュー 2014年6月11日 (水)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――勝俣先生が治療を勧めても、受け入れてくれなかったり、受診しなくなった患者さんがいる。 勝俣範之氏は、本来なら、学会などが近藤誠氏への反論をきちんと出すべきだと指摘。 もう一人、本に書いた方ですが、乳がんのIII期の40代後半の女性。乳がんIII期でも、やはり手術、化学療法、放射線療法による集学的治療を行えば、3、4割は治る人が確実にいます。 近藤先生のところにまず行き、その時点で既にIII期でした。「まずは放置療法でしょう」と言われた。放置していたら、進行し、外見で分かるほど、腫瘍が大きくなってきた。それで放射線療法を受けた。それでも大きくなってきた。「じゃあ、抗がん剤でも投与しますか」となって、他院で抗がん剤治療を受けた。でも十分量ではなく、結局は「やめた方がいい」と言われ、その人は近藤先生の「信奉者」なのですぐにやめた。そうしているうちに、骨に転移した。IV期になったわけですが、近藤先生から「ああ、転移しました」といった感じで、「やはりあなたのがんは、本物のがんだった」と言われたそうです。 ――患者さんにとっては、つらい言葉です。 そうです。「本物のがんだから、いよいよ治療はや...