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特定行為の議論、あまり意味なく - 東京医療センター松本・菊野両氏に聞く◆Vol.3

インタビュー 2015年1月25日 (日)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――厚労省の検討会や審議会では、看護師に認める医行為の範囲や、医師の包括的指示のあり方について、長年議論されました。しかし、これまでのお話からすると、そうした議論はあまり意味がないとお考えでしょうか。 菊野 はい、私はあまり意味がないと思います。 菊野隆明氏によると、JNPのための手順書作成が、初期研修医の指導などにも役立っているという。 松本 制度として作るためには、そうした検討は大事ですが、それほど心配しなくてもよく、皆が悪意を持ってやるわけではない、というのが私の考え。そもそも、「全ての医行為は医師に所属しており、人に任せない」という考えで、医師が自分たちの職業としての権利を行使していたのでは、意見はまとまりません。 ――厚労省の審議会では議論の結果、気管挿管と抜管は看護師の特定行為から外されました(『「看護師の気管挿管」を除外、特定行為を決定』を参照)。 松本 救急救命士には、(心肺停止の患者に対する)気管挿管を認めているわけでしょう。それよりも丁寧な教育を受けているJNPに、「気管挿管しないと、この人は死んでしまうのに、他に誰もいない」という状況で、認めないのは、明らかにおか...