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群大病院「事故調の尻拭いは大学全体で!」

オピニオン 2015年4月2日 (木)  井上清成(井上法律事務所、弁護士)

1.事故調のせいで社会問題に 群馬大学医学部附属病院の腹腔鏡手術に関するメディアスクラム(過熱報道)が止まらない。内部関係者からのリークが続いているためと推測されよう。しかし、メディアスクラムの根本的な原因は、紛れもなく、院内事故調査委員会による「群馬大学医学部附属病院腹腔鏡下肝切除術事故調査報告書」の「公表」にある(『死亡全8症例「過失あり」、群大最終報告』を参照)。 4月1日付け読売新聞でも「腹腔鏡報告書無断修正 群大病院外部委員の承認後」という大見出しで、社会面に大きく報道された。今年2月に全委員が承認して最終的に完成したはずだった事故調査報告書に、3月3日に記者会見で公表した時には「過失があったと判断される」との一文が8例全部に対して書き加えられていた、という記事である。事の勢いとして、「再調査が必要だ」「改めて議論する必要がある」といった情緒的な意見が出ているらしい。 しかし、昨年末以来、そして、この1カ月近くは特に、群大病院はメディアや遺族側弁護士や文部科学省や厚生労働省に右へ左へと揺さぶられ続けてきた。このまま外部の言うなりになっていると、それこそ大切な病院機能が失われ、...