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「医学教育の密室性を排除」◆慈恵医大Vol.2

スペシャル企画 2015年7月19日 (日)  橋本佳子(m3.com編集長)

東京慈恵会医科大学が、医学教育の外部評価で高い評価を受けた一つが、「統合カリキュラム」だ。その歴史は古く1996年度にさかのぼり、同年にそれまで行っていた講座別の教育を全廃、「統合カリキュラム」を導入、学生試験の在り方も刷新した。 その狙いについて、慈恵医大教育センター長の福島統氏は、「講座制と教育の分離であり、『私が教え、私が試験を行い、私が採点し、私が合否を決める』という教育の密室性を排除するのが目的だった」と説明する。 東京慈恵会医科大学の前身である成医会講習所は、1881年5月開設。2010年5月に創立130年を迎えた(写真提供:学校法人慈恵大学) 1995年度までは、2年間の教養教育の後、4年間の専門教育、つまり内科学、外科学、解剖学、生理学、生化学、病理学などに関する教育を講座別に行っていた。例えば、解剖学でも、第1講座は肉眼解剖学と神経解剖学など、第2講座は組織学と発生学などをそれぞれ教え、両者の間で教育内容の調整などはしていなかった。その上、教育目標や評価も、各講座が独自に決定しており、「各科目の教育の総和が、『病気を診ずして病人を診よ』という慈恵医大のスクール・ミッシ...