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医師6年目で学会のシンポジストに◆Vol.9

スペシャル企画 2015年9月9日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

――足利日赤と川崎市立病院で、幅広く外科の研修を実施した。その2年間を踏まえ、その後のキャリアをどう考えていたのか。 1970年、外科入局後、3年目に選んだのは、消化器、特に胃のグループ。消化器関係の中で、食道グループ、胃グループ、肝胆膵グループ、大腸グループなどのほか、さらに血管外科、小児外科に分かれていました。 ただ、当時、医局内がゴタゴタしており、消化器外科の教授が不在だった。胃のグループを選んだ同期が3人。3人で何とかやっていこうとなり、臨床と研究に取り組みました。 よく優れた先生の手術を見学に行ったりしていました。その際、必ず何を見るかを決めていた。「今日はハサミの使い方」「今日は左手をどう使っているか」とか。手術をする時には、右手でハサミを持っていても、その時に左手をどう使っているかが大事。星野先生も尊敬されていた、癌研究会の梶谷先生の手術もよく見に行きました。 その時代に研究したのが、胃を切除した際に、残胃のチューブをいつ抜くかというテーマ。私は先輩たちの手術のフォローをしていたから、抜く時期が人によってバラバラであることを知っていた。手術から2日後だったり、5日後だった...