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恩師の教授、「Academic surgeonを目指せ」◆Vol.11

スペシャル企画 2015年9月11日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

――ハーバード大学におけるストレス潰瘍の研究に当たっては、内視鏡を日本から取り寄せるなど、独自のアイデアで研究を進めた。 ストレス潰瘍の研究では、こんなエピソードがあります。マウスを使って実験していたのですが、最初はマウスを殺した後、胃を取り出してその組織変化を見ていた。これを人間と同様に、内視鏡で見てみたいと思った。 しかし、それができる内視鏡はアメリカにはなかったので、日本のオリンパスに手紙を出して、6ミリか7ミリくらいの細い内視鏡を送ってもらうようにお願いした。しかし、いつまで経っても届かなかったので、オリンパスに問い合わせたところ、「送った」との返事。ニューヨークの空港で、検疫官が、「これ何だ?」って、内視鏡を折ってしまっていたのです。それで再度もう一回送ってもらった。実際に使ってみると、「マウスの胃を見るのは、初めて」「こんなに見えるのか」って、Burke先生も驚いていた。それを聞きつけて、他のラボのイタリア人やオーストラリア人から、「貸してほしい」と言われたけれど、貴重な内視鏡を折られたら研究ができないので、断りました。 ストレス潰瘍について私が当時、立てていたのは、「H+...