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「診療報酬の増額、とんでもない議論」財政審

レポート 2015年10月31日 (土)  高橋直純(m3.com編集部)

財務省の財政制度等審議会財政制度分科会が10月30日に開かれ、2016年度診療報酬改定では、財政審として「診療報酬本体のマイナス改定」を求めていくことを確認した(資料は、財務省のホームページに掲載)。 財務省資料には、「2016年度診療報酬改定に関する論点の整理」の中で、「診療報酬本体のマイナス改定や、『経済・財政再生計画』に示された診療報酬に関する改革検討項目(後発医薬品の使用促進、調剤報酬の見直し等)の実現により、医療費の伸びを抑制することを通じて、2016年度の社会保障関係費の伸びを、高齢化による増加分の範囲内に収めていくことを目指すがの基本」と記されている。 分科会後に会見した分科会長の吉川洋氏(東京大学大学院経済学研究科教授)は、「分科会では慎重論は一人だけ。財政審としては、診療報酬を下げることのコンセンサスを得られた」と報告した。 診療報酬改定の方向性について、吉川氏は「診療報酬は公定価格で、理屈っぽく言えばベクトル。ベクトルの向きが間違っていたら、医療制度に悪い影響を与える。一方で、診療報酬全体は平均、長さの話しになる。財政が厳しい中で、ベクトルの長さを長くしろというのは...