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筋弛緩薬の誤投与死亡事故、「10の疑問」

レポート 2015年11月22日 (日)  橋本佳子(m3.com編集長)

11月22日、千葉県で開催された第10回医療の質・安全学会学術集会のシンポジウム「最近の医療事故から薬剤に関する医療安全を考える」で、上尾中央総合病院(埼玉県上尾市)医療安全管理課の渡邊幸子氏は、2014年12月末、抗菌薬マキシピームの代わりに、筋弛緩薬マスキュレートの誤投与で患者が死亡した事故について、外部委員として携わった経験を踏まえ、報告した。 上尾中央総合病院の渡邊幸子氏 渡邊氏は薬剤師で、当時は大阪府内の病院に勤務。同じ大阪にあるこの病院で発生したこの事故の報道を聞いた際、「10の疑問」がわいたと言う。その視点から、既に当該病院のホームページで公開された事故調査報告書を分析するとともに、再発防止策を解説した。事故調査は、2015年1月から5月にかけ、4人の外部委員を含む12人で実施。 事故が発生したのは12月29日で、年末のため通常休日の1.4倍もの処方オーダーがあるという多忙な時期。通常使用していた後発医薬品セフェピムが供給不全で、一時的な代替薬としてマキシピームを使用していたため、注射薬自動払い機に装填しておらず、人手で取り出す対応をせざるを得なかったなど、ヒューマンエラ...