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小松氏“亀田事件”に見る医師のプロフェッショナリズム

オピニオン 2015年12月16日 (水)  岡崎幸治(日本海総合病院研修医)

去る9月25日、医療界に大きな衝撃が走りました。泌尿器科の第一人者であり、2006年に上梓された『医療崩壊』の著者、小松秀樹氏に対し、役所の意向を受けた亀田総合病院の執行部から、副院長職からの懲戒解雇処分が下されたのです(『小松氏に懲戒解雇処分、「到底納得できず」』を参照)。 私は、一年目研修医として山形県の日本海総合病院に勤務しております。医学部6年生だった昨年には、研究不正が続出した母校・東京大学の医学部に関する公開質問状を、総長などに提出致しました(『東大総長の回答、「残念」と医学生』を参照)。 この拙稿では、その時の原動となった「医師のプロフェッショナリズム」に関連させて、この事件について考えてみます。 私が4人の同志である同級生と共に公開質問状を提出したのは、東京大学総長、医学部長、附属病院長の三方でした。当時、母校では高血圧薬、白血病治療薬、アルツハイマー研究の分野における研究不正がメディアで取り沙汰されておりました。大学内で聞かれた見解は「研究不正は、資源がない中で管理プロトコルが定まっていなかった、構造の問題だ」とするものです。しかし、母校の対応は、社会に対峙する主体性...