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オーストラリアの薬局解体新書~日本の保険薬局の今後を考える~

オピニオン 2016年5月11日 (水)  藤田健二

創薬研究員、薬局薬剤師、学習支援・薬局研究部門のマネジャーを経て、シドニー大学大学院で薬学博士号の取得を目指す藤田健二先生に、オーストラリアの医療制度および薬局実務を読み解きながら、今後の日本の保険薬局のあり方について考察していただく本連載。第5回は、「薬局サービス(分割調剤・一包化・臨床介入など)」についてお話しいただきます。 Staged supplyサービス オーストラリアでは前回紹介したリピート調剤とは別に、Staged supplyと呼ばれるサービスが第5地域薬局協定(The Community Pharmacy Agreement/ CPA, 2010年7月~ 2015年6月)から導入されています。日本の分割調剤に似たサービスですが、その目的は日本と大きく異なります。本サービスの目的は、薬物依存症患者や精神疾患患者による薬の過量服用を防ぐことです。その他、ホームレスや共同生活を行っていて薬の盗難が起こりそうな状況下にいる患者、薬の冷所保管ができない患者、薬を転売する可能性のある患者に対しても提供されます。対象となる薬は、抗精神病薬・抗不安薬・睡眠薬・鎮静薬・抗うつ薬・オピオ...