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院内事故調、「事実認定に誤りあり」◆Vol.2

スペシャル企画 2016年9月19日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

裁判所に提出された担当医らの「陳述書」によると、主治医だった産婦人科医Aは、卒後約5年の医師だが、約500件の分娩(うち約160件は帝王切開手術)を取り扱った経験がある。担当教授だった元島根大学産婦人科教授の宮崎康二氏は、取り扱い分娩数は3000例近い。 2015年6月17日の広島高裁松江支部の判決に基づく、島根大“事故調”事件の2006年9月7日の緊急帝王切開手術当日の事実経過は以下の通り。 ◆9月7日までの経過 ・8月30日が妊婦A(経産婦)の出産予定日だった。 ・9月6日に、妊婦Aは妊娠41週で入院、分娩誘発剤であるプロスタルモンE錠を投与したが、有効陣痛に至らず。 ◆9月7日の事故当日:クリステレル圧出法、吸引分娩まで ・8時45分頃:産婦人科医Aが、子宮収縮剤であるアトニンを1時間当たり15mL で開始、30分ごとに増量の方針。 ・11時15分頃:分娩監視装置(CTG、後に記録時間は、実際の時間より5分ほど遅れていたことが判明)上、2、3分ごとに子宮が収縮。胎児は、胎児心拍120~130bpm、一過性頻脈が見られ、元気な状態。 ・11時55分頃:内診で、子宮口が3cm開大。胎...