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「長時間・深夜労働、パワハラ」の典型、電通社員過労死

レポート 2016年10月25日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

「このケースは、長時間労働、深夜労働、パワハラといった特徴が、全て重なって発生している。さらに健診では、医師が面談する機会もあったが、そこでも十分なチェック機能を果たすことができなかった。過労死等防止対策推進法の施行後も、日本の職場の現状が全く変わっていない。そのことを改めて痛感した。残念でならない」 厚生労働省の「過労死等防止対策推進協議会」(会長:岩村正彦・東京大学大学院法学政治学研究科教授)の10月25日の会議で、こう問題提起したのは、弁護士の川人博氏。「このケース」とは、昨今話題になっている電通の新入社員が2015年12月に過労自殺、労災認定されたケースだ。川人弁護士は、社員の遺族の代理人を務める。 2014年11月の過労死等防止対策推進法の施行後、初めての「過労死等防止対策白書」がこの10月、まとまった。川人弁護士は、「白書は第一歩」と評価しつつ、法施行後も、職場環境の改善が容易には進まない現状を指摘。さらに、川人弁護士は、電通では2013年6月に死亡した社員も労災認定されたこと、2015年8月には労働基準監督署から、長時間労働の是正勧告を受けていたことを挙げ、「労働行政が職...