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「大学以外で働く9割の医師」養成の義務◆Vol.5

スペシャル企画 2017年2月13日 (月)  司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

【前野】 大学の話が出たので、私がいつも話していることをご紹介します。以前調べたことがあるのですが、40歳以上の医師の約9割は、大学病院以外で仕事をしています。でも、医師は100%、学生時代は大学にいたのです、当たり前ですが(笑)。ですから、医学部の教員は、大学病院以外で働く9割の医師を育てる義務があります。一方で、教員は、特定機能病院である大学病院の臨床医でもあります。 要するに、高度医療を提供しつつ、地域医療を支える医師を育てるのが、大学のミッションです。 司会 総合診療的なマインドは、卒後ではなくて、医学教育の時代から涵養していかなければならない。 【前野】 それは当然です。 【林】 大学病院で診療をしている常勤医師の大部分は、医学部や大学院の教員です。大学院は主として研究を重視するところですので、教員である医師にとっては研究が大切であり、研究成果を出すことは重要なことです。その大学院所属の医師が、医学部の「付属病院」で診療する場合、「研究のために患者さんを診させてください」という立場にあります。大学院において、「総合診療」の研究とは何か、どのような実験をするのかということが、真...