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「ブロック研修で養成可能」は誤解◆Vol.6

スペシャル企画 2017年2月14日 (火)  司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

司会 ではシーズを医学教育で蒔いた後、専門医としての総合診療医を養成していくには、どんな場がふさわしいとお考えですか。 【丸山】 そこで言っておきたいのですが、この期に及んでも、複数の既存の診療科を回る「ブロック研修」で総合診療専門医を養成できると思っている人がいます。それは根本的な認識不足。「何でもできる」のが総合診療専門医ではなく、求められるのは、根幹としてのジェネラリズムです。この辺りを説明するのは簡単ではないのですが、地域の医療ニーズを自ら見いだし、それに対応できるように自己研鑽を続けるのが、総合診療専門医のコアコンピテンシー。そのことを知っている人、その確立で苦労した人が教育に従事するのが、やはり一番いい。背中を見て学んだ昔の医師は、ある意味、そうしていたのですが。ここまで医療が細分化すると、言語化してプログラムに落とし込む必要があるのです。 【林】 特定の専門診療科(専門内科を含む)をローテーションする研修では、例えば「胃潰瘍」などと診断が付いている患者を診れば済むことが多く、診断が付いていない患者を診ることはまずありません。そうではなく、診断が付いていない患者、いろいろな...