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医師はしっかり働き、社会に還元せよ - 天野篤・順天堂医院院長に聞く◆Vol.1

インタビュー 2017年4月5日 (水)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

政府が進める「働き方改革」。医師への「時間外労働」の上限規制は猶予されることになったが、今後、医師の勤務環境改善に向けた議論が活発化するのは必至だ。“36時間連続勤務”も当然とされた一定年齢以上の世代の医師は、今の動向をどう受け止めているのか。 心臓外科の第一人者であり、順天堂医院院長、心臓血管外科教授としてマネジメントの立場にもある天野篤氏に、自身の経験や管理者としての立場を踏まえ、お聞きした(2017年2月9日にインタビュー、3月に追加取材。計3回の連載)。 ――医師の過労、長時間労働が問題になる中、折しも政府は「働き方改革」を進めています。 まず今の若手医師に言いたいのは、「しっかり働いて、社会に還元してもらいたい」ということ。私大協(日本私立大学協会)などのデータでは、医学生1人に公費と授業料等を合わせ、年間約1850万円かかるとされている。6年間にすると1億1000万円以上。 20代前半の若者が、この1億円を用意すると仮定した場合、不動産や動産を持っていなかったら、銀行が無担保融資できるのは、せいぜい300万円。残る1億円以上は高額利子で借りるしかない。生涯返済金額は3~5倍...