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「村上智彦先生が遺したもの」

オピニオン 2017年5月19日 (金)  永森克志(ささえるクリニック岩見沢院長)

医療法人社団ささえる医療研究所(北海道岩見沢市)理事長を務めていた村上智彦先生が2017年5月11日午前4時8分、北海道大学病院にて、白血病で闘病の末、享年56歳で逝去しました。私は、同研究所「ささえるクリニック岩見沢」院長を務めており、当研究所の運営にご協力、ご支援をいただいている全国の医療関係者の皆様に、御礼を兼ね、ご報告をさせていただきます。 村上先生は、2015年12月に急性骨髄性白血球を発症、兄の骨髄移植(『医師が急性白血病になって考えたこと - 村上智彦・ささえる医療研究所理事長に聞く◆Vol.1』などを参照)。幸い寛解をするも再発、今度は弟の骨髄をハプロ移植、完全寛解に向けてリハビリを続け、講演などの活動を再開した矢先の4月末に再再発、治療・寛解を目指しましたが、かないませんでした。最後は、「家に帰りたい……」と言われていましたが、無菌管理の故、かないませんでした。 村上先生はこの3月、『最強の地域医療』(ベスト新書)を上梓されました。本書には闘病生活を通じて見えてきた医療の問題点に加え、今後の超高齢社会を見据えた医療、ひいては地域社会の有り様を描いています。最後には、村...