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健保連幸野氏、ARBの使用実態を問題視

レポート 2017年11月3日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏は、11月1日の中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)で、健保連の提言として、国が主導して費用対効果を踏まえたガイドラインの作成や、医療機関等における採用医薬品リストに当たる「フォーミュラリー」の作成を推進するよう求めた。幸野氏は、英国のNICE(国立医療技術評価機構)では、有効性と安全性が同等の場合、最も安価な降圧薬を使うことを求めている一方、日本のガイドライン等では、費用対効果を踏まえた医薬品使用の優先順位が書かれていないと問題視した(資料は、厚生労働省のホームページ)。 幸野氏が提言の根拠として挙げたのが、高血圧治療におけるARB(アンギオテンシンII受容体拮抗薬)の使用実態だ。健保連が2014年10月から2016年9月まで2年間のレセプトを対象とし、高血圧症以外の傷病名がなく、かつ1分類の降圧薬が処方されたものを分析した結果、最も多く処方されていたのはCa拮抗薬で57.0%、次がARBの37.9%だった。しかし、金額ベースでは、薬価の高さからARBが63.1%を占め、Ca拮抗薬は33.5%。「ARB、も...