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「患者から覚せい剤成分検出で通報」良い医師か?―松本俊彦・国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部部長に聞く◆Vol.1

インタビュー 2018年10月7日 (日)  長倉克枝(m3.com編集部)

「薬物依存症には一般の人も医師の間にも誤解があり、そのために患者の治療につながっていない」――。 長年薬物依存症の治療に取り組んできた国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部部長の松本俊彦氏は、こう話す。日本の薬物乱用は欧米の比較にならないほど少なく、一般の人だけでなく医師でも薬物依存症患者を知るケースは少なく、薬物依存症の実態はあまり知られていない。一方、「1回でも薬物を使うと依存症になり、人生がおしまいになる」という誤解が広がっている。 だが、薬物依存症の治療プログラムが広がりつつあるなど、適切な支援につながれば患者は回復していくことができる。こうした薬物依存症をめぐる実態を知ってほしいと、松本氏が書き上げた『薬物依存症』(ちくま新書)が9月6日に刊行された。本に込めた思いや、薬物依存症に携わることになった経緯などを松本氏にお伺いした(2018年9月14日にインタビュー。全3回の連載)。 松本俊彦(まつもと・としひこ)氏 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所薬物依存研究部部長/病院薬物依存症センターセンター長。1993年佐賀医科大学卒業。横浜市立大学医学...