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予防医療軽視の恣意的誘導「強い怒りを感じる」、横倉日医会長

レポート 2018年10月11日 (木)  大西裕康(m3.com編集部)

横倉氏 日本医師会会長の横倉義武氏は10月10日の記者会見で、財務省の財政制度等審議会・財政制度分科会が予防医療の効果を疑問視する見方を誘導するかのような資料に基づき、社会保障制度改革として医療費の削減など給付の抑制ありきで議論を進めているとの認識を示し、「大変強い怒りを感じる」と語気を強めて苦言を呈した。「医療費削減ありきでなく、健康増進を目的とした政策の結果として削減が実現するよう、地域での取り組みを進めることが重要」とも述べ、考えを正すよう訴えた。 横倉氏が問題視したのは、財務省が10月9日に開いた同分科会で示した社会保障制度を改革する方向性の根拠として用いた資料のうち、「『支え手』の減少への対応:社会保障制度の観点から」と題したページ(図1)にある「留意点」と「(注1)」で引用した新聞記事の扱い。 [図1]2018年10月9日開催の財政審分科会資料 「留意点」 「予防医療等による医療費や介護費の節減効果は定量的に明らかではなく、一部にはむしろ増大させるとの指摘もある。そのため社会保障制度の持続性を確保するためには、上記の施策(「高齢就労を前提とした環境整備」「高齢者が引き続き『...