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本庶・京大名誉教授、日医で特別講演「驚異の免疫力」

レポート 2018年11月2日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

京都大学名誉教授(高等研究院副院長/特別教授)の本庶佑氏は11月1日、「日本医師会設立71周年記念式典並びに医学大会」で、「驚異の免疫力」をテーマに特別講演した。本庶氏は今年の「日本医師会最高優功賞受賞」を受賞(詳細は、 こちら)。 本庶佑氏は日医最高優功賞受賞を記念して講演。 本庶氏は、「がん患者は増え続け、いまだ進行したがんは治らない」と指摘。2018年のノーベル医学生理学賞につながったPD-1の研究の基礎から臨床応用に至るまでの苦労を紹介し、「PD-1免疫療法は、がん治療法の第1選択になるだろう」と期待を込めた。「2030年?」とクエスチョンマークを付けつつ、現在は主流の手術、化学療法、放射線療法を上回り、PD-1免疫療法ががん治療全体の9割近くを占めるという予測グラフを提示した。 PD-1免疫療法は、T細胞の表面にあるPD-1が免疫のブレーキ役を果たすことに着目、ブレーキが利かなくなるようにして免疫を活性化して、がん治療につなげる方法。本庶氏は、このメカニズムを「獲得免疫が与えた想定外の幸運」と形容した。獲得免疫は、ヒトに代表される脊椎動物が、病原体から生命を守る戦略として進化...