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「女性には告知をするな」、痛恨の失敗に◆Vol.11

スペシャル企画 2019年2月11日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

――血液内科での勤務で、前沢氏が改革を進めたことがある。それは、インフォームド・コンセントの在り方だ。 「“時間という注射”を患者さんにしてあげましょう」。日野原先生(聖路加国際病院名誉院長の故日野原重明氏)が、よく使われていた言葉です。今で言うと、寄り添う、患者さんのそばにいるといった意味でしょう。患者さんから質問されて、何も言えなくても、一緒の患者さんと考えたり、共感的な態度でそばにいる時間を大切にすることを日野原先生は伝えたかったのだと思います。 医学生時代は心療内科に興味を持ち、けれども身体疾患から心の病を来す問題に関心が移っていった。血液内科での実践は、病気から生じる心の問題にどう向き合うか、毎日が試されてるような場だったと言えます。 自治医大時代は、当時東大の教授だった高久史麿氏の講座の医局長も務めた(撮影:渡邊由幸) 血液内科の勤務で、一番苦労したのが、インフォームド・コンセントの在り方です。白血病については当時、患者さんには告知せず、家族であっても女性には告知するな、という変な規則というか、先輩方からの教えがありました。女性の方がショックを受けたダメージが大きいと考えら...