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「年1860時間」はギリギリの妥協点 - 山本修一・千葉大病院長に聞く◆Vo.1

インタビュー 2019年4月21日 (日)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)、水谷悠(m3.com編集部)

「一人一人の医師にスポットライトが当たった、初めての医療体制改革が、今回の医師の働き方改革」――。 こう語るのは、厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」に、大学病院の立場から出席した千葉大学医学部附属病院院長の山本修一氏。3月の検討会報告書をどう受け止め、大学病院にどんな影響が及ぶと考えているのか。国立大学病院長会議常置委員長も務める山本氏にお聞きした(2019年4月9日にインタビュー。計4回の連載)。 ――検討会の報告書は、3月末にまとまりました。まず先生ご自身の全般的な受け止めをお伺いできますか。 戦後70年以上が経過し、日本の医療体制は完全に崩壊したゼロの状態から、ここまで来ました。かなり速いスピードで整備が進み、世界でも有数の長寿国になったのです。 その歴史を振り返ってみると、まず医師をどのように養成するかというところから始まった。また国にはお金がなかったために、「病院は民間でやってください」となり、数は増え、結果的に医療の担い手の約8割を民間が占めるまでになりました。ある程度、数が増えてきたところで、質に目が向けられるようになった。 けれども、やはりハード的な部分の整...