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「無給医=自己肯定感の崩壊」全国医師ユニオンシンポジウム

レポート 2019年7月14日 (日)  橋本佳子(m3.com編集長)

「無給医を経験して最も感じたのは、自己肯定感が崩壊すること。(他の医師と)同じことをしている、人の役に立とうとしているのに、なぜか給料がもらえない。私の年収は、36万円+当直代。有給の医師とは約500万円の差がある。しかも、『それは間違っているのではないか』と訴えると、『お前はわがままだ』と言われるのは、本当に意味が分からない」 「週1日、大学病院での外来診療のために2時間半かけて通勤しているが、自己研鑽扱いのため無給で、交通費ももらえない。労働基準監督署と文部科学省にも、電話をかけたが、取り合ってもらえなかった。医師をやめてしまった同期や先輩もいる。専門医は必要で、関連病院での勤務もしたい。教授が辞めるその日まで耐える」 全国医師ユニオンが7月13日に都内で開催した「無給医問題シンポジウム」で、2人の医師が匿名を前提に、現状の厳しい勤務環境を赤裸々に語り、無給医問題解決の必要性を訴えた。一人はシンポジストとして予定登壇した大学院生。4年間の大学院生のうち、研究に専念できるのは2年間のみで、残る2年間は診療に従事。大学病院からの給与は「約36万円(月給約3万円)+当直代」のみ。同程度の...