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「宿日直許可なし」なら、1診療科当たり医師10人が必要

レポート 2019年9月16日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

分娩を行う産婦人科施設では、時間外労働を年960時間以内(A水準)に抑えるためには10人の産婦人科医が必要で、交代制勤務を導入できる場合は8人、特例的に年1860時間以内(B水準)の時間外労働が認められる場合でも5人が必要――。 大阪大学産科学婦人科学助教の中川慧氏は、9月15日に新潟市で開かれた日本産科婦人科学会の第1回拡大サステイナブル産婦人科医療体制確立委員会で、こんな試算を発表した。 産婦人科医の場合、分娩が年間300件以上あるような施設は、宿日直許可を受けることが難しく、(1)院内には夜勤帯1人の医師、(2)全員が夜勤、時間外労働を均等に可能、(3)平日240日、(4)土日、祝日の日数125日(年末年始を含む)、(5)平日1日1時間の時間外労働が平均的に発生(8-18時の在院、1時間の休憩)――という前提で試算。当直免除の医師がいたり、夜勤帯の医師を増やしたりすれば、必要医師数はさらに増える。この計算式は、宿日直許可を受けられない他の診療科でも当てはまり、時間外労働の上限規制に対応するため、一定の集約化が必要なことを示唆する結果だ。 (提供:中川氏) 「これはあくまで現状で何...